TOP > あらゆる生地素材を選ばない特殊染料プリント
柄はgruppo(グルッポ)様提供
インクジェットプリントの普及により、これまで小ロットでは難しかった表現や製品づくりが可能になりました。しかし、繊維素材は材質によって特性が異なり、全ての素材で充分な表現力が得られないのが課題でした。
そこで吉村は豊富なノウハウに裏付けられた発想力、開発力をいかし、各種T/C、ナイロンおよびその他の混紡、さらには一般に売られている白生地であってもインクジェットプリントの高い表現力を再現するための技術開発に取り組み、これを製品化しました。
染料の糊剤が多ければにじみの少ない鮮やかなプリントが可能になりますが、その一方でノズル詰まりを起こしやすく、技術的なハードルが高いとされてきました。その一方で糊剤が少ないと染料がにじんでしまい、満足のいく仕上がりになりません。そこで吉村は染料に着目、ノズル詰まりを起こしにくい特殊染料を開発し、この問題を一挙に解決しました。
写真はkauakoko様提供
捺染をはじめとする伝統的なアナログの技術と、インクジェットプリントをはじめとするデジタル技術。それぞれには良いところがあって、その一方で弱点もあります。
長らく製品づくりの現場と関わってきた吉村は、それぞれの特性を充分に認識した上で、良いところ取りをするのが最良であると考えます。今や良い製品はひとつの技術だけで生まれるものではなく、さまざまな技術やノウハウを組み合わせることで、もっと良いものが生まれます。
良い素材や良い技術はあっても、それを製品にして世に送り出していかなければ意味がありません。豊富なノウハウから得られた開発力と提案力は吉村の強みですが、お客様から本当に必要とされているのは、良いもの、良い技術を製品化して採算の取れる事業へとコーディネートすることであると考えます。
吉村の仕事は、繊維業界とアパレル業界の橋渡し。そこには、コンサルティング業務、ソリューション業務といった知恵袋としての解決力も含まれています。
- (事例)T/C生地の小ロットで、ソフトな素材感を残しながら鮮やかなプリント
- ハワイアンダンスの衣装に欠かせない、色鮮やかなバウスカート。南国らしい鮮やかな色彩を出すためには、色のついたT/C生地の上に柄プリントする必要があります。色があるところに柄を乗せる場合は、にじみを防ぐためにラバープリントを施すのが一般的です。
しかし、それだとハワイアン独特のふんわりとした質感が得られず、また折りたたむことでひび割れが起きてしまいます。
そこで吉村の特殊染料プリント技術を活用し、T/Cの白生地使用ですが、ベースと柄を同時にプリントしてソフトな素材感を失わずに鮮やかな色彩を再現することに成功し、ダンスに花を添える衣装にご活用いただいています。